第24話 これから ここから   かがわとわ

「端切アートは、あなたの犯罪行為によって創られたのですね」 「はい」 「絵のパーツに必要な生地をまとっている人物を狙って、切り取り続けた」 「いえ。逆です。呼ばれるのです。そうなったら、切るしかないのです。切るしかなかった服が先にあり、その端切れたちから絵が生まれます」 「呼ばれる?」 「ええ。私にはわかるのです」 「あなたが切り取るのは、すべて女性からですよね」 「猫女でなくてはいけません。犬女はだめです。近くに寄っただけでわかります。猫女の身につけている布を、切り取らなくてはならないのです」 「ネコオンナ?」 「わからないのですか、先生。あなたも猫の耳をお持ちでしょう」  ──先生と呼ばれて、秋江は自分が白衣を着ているのに気づく。  目の前の男性は、おじさん……邦夫だとわかった途端に、邦夫の顔がサラサラと崩壊し、女の顔が現れる。──おばさん……順子だ。  不快と不安が一気に押し寄せ、秋江が立ち上がると同時に、順子が飛びつくように白衣の裾をつかむ。つかんで離さない。嬉しそうに笑っている。 「この布、とても必要だわ。切らなくては」  ──秋江は、自分の唸り声で目を開けた。心臓がバクバクしている。──夢。夢か。仰向けのまま、汗ばんだ額に手をあてていたが、ようやく枕の下からスマホを出し、時間を確認した。2:47の文字が浮かびあがる。ベッドサイドのリモコンに手を伸ばし、部屋の間接照明を点すと、半身を起こした。何、今の。怖っ。──そうだ。昨日ユッコから聴いた話と、おばさんの…

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